ヒトラーの戦争〈1〉 (ハヤカワ文庫NF)



ヒトラーの戦争〈1〉 (ハヤカワ文庫NF)

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歴史を変えた問題作にして戦記物最高傑作

ホロコーストはヒトラーの知らない間に実行されたというとんでもない説を打ち出して刊行されたアーヴィングの問題作です。
そんなわけないだろう独裁者だ命令したに決まっているじゃないか!
ところが歴史学者は一人として答えることができなかった
いつ命令した→特定できない どこで命令→不明 誰に→不明 どのように→不明 それでも命令はあったというのが「歴史」」でした。
 この本は歴史学者に大論争を引き起こしたあげく、結果的にヒトラーはユダヤ人絶滅を命令していないという学説が一定の支持を得るまでになりました。
 現在アーヴィングはガス室否定論者として活動しているためこの本の評価は非常に低くなっているのですが、歴史を変えたという点だけでも評価に値します。
 なおそのほかの作品も含めてアーヴィングは戦記物作家としての評価は非常に高く、戦記物が好きな方にはおすすめです。
ヒトラー関係の戦争本ではピカイチでは?

ユダヤ人虐殺の指令をだしてないという論説でこの本は有名になってし
まったが、私にとって、この本のメインはヒトラーの戦争指導につい
て、そしてヒトラー配下の将軍たちがいかに振舞ったかという点にあ
る。著者は数多くの未公開資料をあさり、今までの通説の誤り・不整
合・欺瞞を暴いている。とりわけ圧巻は、独軍将軍たちが戦後、日記な
ど各種資料を改ざんしていたことを暴いていることだろう。

過去、グデーリアン、マンシュタインなどの軍事グルによって書かれた
書籍や、またヒトラー・ナチスへの嫌悪感・先入見により、ある種のス
テレオタイプにはまっている者が多いはずである。また、大抵は純軍事
的・戦術的な観点でのみ語られているものが大半であった。
それに対してアーヴィングは、新たな角度で資料を読み込み、戦略的、
政略的な観点での再評価をおこなっている。ほぼ公平な視点でヒトラー
およびドイツ各司令官を評価しているのではないかと思う。
よくありがちな、わがままで意味のない命令を繰り出す、戦争を理解し
てないヒトラーと、そのような独裁者の下で最善を尽くしている独軍指
揮官とうい旧来のステレオタイプイメージは、この本を読むことで打ち
破られるだろう。
※ただ戦争したこと自体そもそもヒトラーの判断ミスだというのはあ
る。



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